JNNS-DEX-SMI-玉川 公開講座
神経回路網の理論展開と最先端応用
@ 玉川大学

報告

無事,終了しました.
聴衆が20名ほどと伸び悩んだのは残念でしたが,講演はいずれも興味深く,大変有意義な公開講座となりました.
講演してくださった先生方,参加してくださった皆様,運営にご協力いただいた皆様,ありがとうございました.
主催: 日本神経回路学会 (JNNS), 科研費特定領域「情報統計力学の深化と展開」(DEX-SMI), 玉川大学 脳科学研究所 知能ロボット研究施設
期日: 2008年3月10〜11日
会場: 玉川大学 視聴覚センター 地下101教室 (アクセスガイド)
校長: 大森 隆司 (玉川大, JNNS)
幹事: 池田 和司 (京大, JNNS)
世話人: 村瀬 一之 (福井大, JNNS), 斎藤 利通 (法政大, JNNS), 樺島 祥介 (東工大, DEX-SMI), 岡田 真人 (東大, DEX-SMI), 石井 信 (京大, DEX-SMI)
関連行事: 玉川大学にて 3月12〜14日 電子情報通信学会 NC 研究会, 3月15日 電子情報通信学会身体性情報学研究会.

主旨とテーマ

昨年度実施された,神経回路網に関する理論(モデル)展開と最先端応用についての オムニバス形式の公開講座を,今年度も実施します. 今年度はテーマを神経回路学における確率モデルの理論と実践とし, 神経回路網研究には欠かせない確率モデルに主眼をおき, 前半は確率モデルの必要性とその理論,後半は確率モデルの応用と計算機シミュレーション技術に関して 講演していただきます.
また,日本神経回路学会および特定領域「情報統計力学の深化と展開」に関連した 学生の皆様と,若手研究者,企業研究者の皆様との交流を図ることも目的とします.

開講に寄せて: 校長 大森 隆司 (玉川大)

脳は人類の科学の最先端であり,その解明のための努力は研究者に新たな 理論・方法論・デバイスなどの開発という技術的な進展を要請してきます. そして我々はその要請に答え,新たな研究の進展によって新しい研究領域を 開拓し,それによって脳研究の果実を脳以外の多くの領域にも波及的に分配 していく,さらにその結果として研究領域の姿は日々変わっていく,という のが脳にかかわる各種工学のあるべき姿であろうと思います. 今回の公開講座は,そのように展開していく神経回路にかかわる研究成果 の代表例である確率モデルを取り上げ,全体テーマを「神経回路研究における確 率モデルの理論と応用と技法」としました. プログラムは,前半は確率モデルの必要性と理論,後半はその応用とシミュレ ーション技法に中心をおき,日本のトップレベルの研究者による講義を 行います.参加者の方々には,学んだことを次の研究・新しい発展につないで いただければと思います. またこの公開講座は,参加者・講演者の相互の交流も意図しています. 参加者の皆さまにはこの機会を逃さずに相互理解を推し進めていただけるなら, 主催者としては嬉しく思うものです. 最後に,この公開講座の実現に支援をくださった日本神経回路学会 (JNNS)と 科研費特定領域「情報統計力学の深化と展開」(DEX-SMI)に深くお礼を申し あげます.

プログラム

3月10日
 10:00-10:30 オープニング
 10:30-12:00 麻生 英樹 先生 (産業総合技術研究所): 神経回路学における確率モデルの理論と実践
 13:00-14:30 池田 建司 先生 (徳島大学): 非線形カルマンフィルタとその応用
 14:45-16:15 永田 賢二 氏 (東京工業大学): 交換モンテカルロ法とその応用
 16:30-18:00 参加者自己紹介
 18:30-20:30 懇親会
3月11日
 10:00-11:30 福島 孝治 先生 (東京大学): イジングモデル・シミュレーションの高速化法
 13:00-14:30 中川 健治 先生 (長岡技術科学大学): 希少事象に対するモンテカルロシミュレーションの高速化とその応用
 14:45-16:15 渡辺 浩志 先生 (東京大学): 生体シミュレーションにおける有限要素法
 16:15-16:30 クロージング

参加申込

参加費: 無料 (懇親会を除く)
申込方法: 2008年1月15日から2月15日までの間に, 前日までに 氏名,年齢,所属およびその住所,身分 (学生の場合は学年,研究者の場合は肩書など), 電子メールアドレス,JNNS 会員番号 (非会員の場合はその旨), DEX-SMI 研究分担者または被推薦者の場合はその旨を付記し, 参加応募メールアドレス: jnns-application@sys.i.kyoto-u.ac.jp まで,お送り下さい.
会場のキャパシティにより選考を行う場合がありますので, 参加の可否を2月22日頃までにご連絡致します. こちらから確認のメールをお送りいたします. なお,頂いた個人情報は,JNNS-DEX-SMI-玉川 公開講座のみに用います.

講演紹介

講演1: 麻生 英樹 先生 (産業総合技術研究所)

題目: 神経回路学における確率モデルの理論と実践
講演紹介: 今年度のテーマである「神経回路学における確率モデルの理論と実践」について, “ニューラルネットワーク情報処理”で国内にニューロブームを巻き起こした麻生先生に, 神経回路学と確率モデルの関係,グラフィカルモデルの応用例とその計算法, 計算困難性を解決する近似計算法などの総括的な講演をしていただく.

講演2: 池田 建司 先生 (徳島大学)

題目: 非線形カルマンフィルタとその応用
講演紹介: 神経回路網は比較的自由度の高い非線形モデルであり, またモンテカルロ法は実現する分布の形に制限がない. しかし元々のモデルが線形・ガウスであるならば, カルマンフィルタを用いるのがよく, 非線形性が小さいならば,カルマンフィルタを拡張したモデルで 十分対応できる. そこで本講演では,カルマンフィルタの基本的な考え方と, カルマンフィルタを非線形化した EKFおよび UKF について, どのように非線形モデルに拡張したのかに重点を置いて解説していただく.

講演3: 永田 賢二 氏 (東京工業大学)

題目: 交換モンテカルロ法とその応用
講演紹介: 交換モンテカルロ法は,モンテカルロ法の発展系として近年提案され, より広範な分布を実現できる手法として注目されている. 本講演ではモンテカルロ法の基礎とその問題点, 交換モンテカルロ法のアイデアなどを概説していただくとともに, パラメータ設定の指針に関する研究成果や応用例なども紹介していただく.

講演4: 福島 孝治 先生 (東京大学)

題目: イジングモデル・シミュレーションの高速化法
講演紹介: 物理学におけるイジングモデルは,連想記憶モデルの最も単純なモデルでもあり, 統計物理学者が神経回路学に参入する一因ともなった. 本講演では統計物理学的な側面ではなく, イジングモデルをモンテカルロ・シミュレーションするための プログラム開発について講演していただく. プログラムの高速化は計算機の発展に強く依存するわけだが, 計算機のどのような発展がアルゴリズム開発や物理モデルに どのように影響を与えたかを体験談を中心に紹介していただく.

講演5: 中川 健治 先生 (長岡技術科学大学)

題目: 希少事象に対するモンテカルロシミュレーションの高速化とその応用
講演紹介: 学習機械の計算機実験などでは,例題数が増加するにつれて誤り確率が小さくなる. したがって,学習曲線を計算機実験で求めようとすると誤りが滅多に生じず,実験が困難になる. 本講演では,希少事象に対する実験を高速化する方法の理論を概説していただくとともに, その応用例を紹介していただく.

講演6: 渡辺 浩志 先生 (東京大学)

題目: 生体シミュレーションにおける有限要素法
講演紹介: 神経モデルを作成してシミュレーションでその動作を確認する. 言葉で書くのは簡単だが,実際には数理モデル化と そのシミュレーションの双方において困難が生じる. 本講演では,長年,人工心臓モデルの開発チームにおいて 数値計算アルゴリズムの研究を行ってきた経験をもとに, モデル化手法およびその数値解法について紹介していただく. 心臓と脳で部位は異なっても,いずれもマルチスケール・マルチフィジックス現象であり, 参考となるものは多いことが期待できる.

参加者自己紹介

交流を図ることも目的のひとつですので, 一人1分程度で参加者の皆様に自己紹介をしていただきます.

懇親会

日時: 3月10日 18:30〜20:30
場所: 玉川大学りんどう食堂
参加費: 実費 (学会からの補助あり)

更新記録
2008.3.11 報告を記述,更新停止.
2008.2.15 〆切を延長.
2008.1.7 ページを公開.
2007.12.14 プログラムを決定.
2007.11.30 ページを仮公開.

文責: 池田和司 (京大)