研究紹介

確率・統計的手法によるシステム数理の解明をめざして

数理システム論分野では,確率・統計的手法によるシステム数理の解明をめざしてをスローガンに,物理・工学などの各種システムに現れる確率・統計的諸問題に対する数理モデルの構成法と解析,および実際的な応用の際に必要となる有効なアルゴリズムの開発を行っています.具体的には,観測された生の信号やデータから有益な情報を抽出するための方法論を体系化した信号処理を武器に,移動体通信システムや超高速光ファイバ伝送システムなどの情報通信分野を中心としたシステムの問題に取り組んでいます.

通信システムのための信号処理に関する研究

近年の通信システムでは,ディジタル信号処理が極めて重要な役割を果たしています.例えば,ADSLや無線 LAN,WiMAX,LTE,地上波ディジタル放送では,高速フーリエ変換 (FFT) を用いたマルチキャリア変調と呼ばれる技術によって信号の高速伝送を実現しています.本研究では,ディジタル信号処理をベースに,次世代の移動体通信システムや無線アクセスシステム,無線中継伝送のための種々の物理層及びMAC層の通信プロトコルを提案する研究を行っています.また,センサーネットワークや協調通信,無線ネットワークコーディング,ネットワーク化制御などの分散的な通信ネットワークにおける様々な問題にも信号処理のアプローチを用いて取り組んでいます.さらに,RFIDシステムへの応用や,超高速光ファイバ通信におけるさまざまな信号歪みをディジタル信号処理によって補償することも検討しています.

最近のトピック

  • 圧縮センシング・グループテスティングの応用
  • 無線パケット衝突検出
  • RFIDシステムのための信号処理
  • 同一周波数全二重無線中継器
  • 超高速光ファイバ通信のための信号歪み補償
  • 過負荷MIMO
  • ネットワーク化制御
  • 周波数領域等化を用いたブロック伝送

解説記事等


無線資源割り当て・スケジューリングに関する研究

移動体通信加入者は世界中で35億人を超え,無線通信は生活に欠かせない技術になっています.2007年の移動体通信のトラフィックは,その90%が低速度の音声通信で,10%が高速データ通信でしたが,近年のスマートフォンの普及などにより,データ通信のトラフィックの急激な増加が大きな問題になりつつあります.この解決策として,無線中継局の採用や,マクロセルとピコセル,フェムトセルを共存させるヘテロジーニアスネットワークが注目を集めています.このような複雑なシステムでは,各ユーザに異なる周波数や時間,符号などの無線資源を割り当てるリソース割り当てが,システム全体の性能を左右する重要な問題となります.本研究では,リソース割り当てに必要な通信路情報(CSI)のフィードバック量やオーバーヘッドを削減しつつ,スループットやユーザ間の公平性を高いレベルで達成できる現実的な割り当て法の設計や,達成可能レートの理論解析などに取り組んでいます.

最近のトピック

  • ヘテロジーニアスネットワークのための無線資源割り当て
  • マルチキャリア・マルチリレー無線通信システムのためのリソース割り当て
  • 協調通信のための無線中継プロトコル
  • 無線ネットワークコーディング

解説記事等


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